声を安定させるには、色々な事を意識する必要があります。
とてもわかりやすいところで、
息を安定して出せる力を付ける事や、喉の位置、顎の脱力など、色々なチェックポイントがあります。これは表面的な所です。
そして、見落としがちな部分が、目に見えない部分にあります。それは体幹の安定です。
歌う上で体幹の安定はとても重要です。
若い頃声が出ていたのに年齢を重ねるにつれて声が出なくなった人は
筋肉の衰えや、生活習慣により骨盤のゆがみ、などにより、歌う時に必要な筋肉のバランスを崩してしまって声が出にくくなってしまうケースが多くあります。
今回のコラムでは、歌で必要な体幹を意識して使えるように、そして、年齢に負けない体作りをご提案していきたいと思います。
声を安定させるには?骨盤を整えるべし!
「声を安定させるにはお腹に力を入れて支えるんだ」と思っている方は多いと思います。
しかし、お腹に力を入れると、骨盤が倒れて、歌うたびに腰が痛くなったり、呼吸が浅くなったりしてしまいます。
そのような方は、骨盤を立てる事を意識してみると良いです。
声がスーッと出て、からだに負担がなくなり安定した声が出ます。
声を安定させるには?骨盤を立たせるステップ
【1】足の幅を整える
足を肩幅くらいに開きましょう。
つま先はまっすぐ or 少しだけ外向きに→ 足の裏全体で地面を感じて、つま先に体重が集まりすぎていないかをチェックします。
【2】お尻を“ふわっ”とゆるめる
ギュッとしないで、お尻の力をそっと抜きましょう。
→ 「ふわ〜ん」「ぷにゅん」って感覚になったら正解です!
【3】おなかの下を“そっと前へ”
おへその下あたり(丹田)を少〜し前に押すようなイメージで。でん!とお腹の力を一気に抜いて下さい。下腹部にスライムがプクーといるようなイメージで。わかりにくかったらスミミセン。→ イメージなので、実際に腰は前に出さなくて大丈夫です!
【4】上半身は“ふわっとスーッと”
背筋を「伸ばす」んじゃなくて、スーッと上に引っ張られてる感じ
→ 天井から頭がそっと糸で吊られてるような感覚で
【5】呼吸で確認してみよう
鼻から吸って、おなかが下に広がる(ふくらむ)感覚があれば腹式呼吸になっています。
声を安定させるには?左右の腸腰筋や腹斜筋を均等に使おう。
腸腰筋ってなに?
腸腰筋は体幹と下半身をつなぐ“軸の支点”みたいな存在です。
ここが左右で硬さが違ったり、片側だけ縮んでたりすると…
骨盤が傾く → 姿勢が崩れる
姿勢が崩れると 横隔膜や肋骨の動きがアンバランスになる
結果、呼吸が浅くなる/息の支えが不安定になる
声が上ずったり、出しにくく感じたりする!
歌や発声の“支え”を作るときに、とっても重要です。
◎ なぜ“左右差”ができるの?
骨盤の傾き・姿勢のクセ
利き手・足の使い方の偏り
→ 結果、一方の腸腰筋や腹斜筋ばかり使ってしまうことがある。足を組んだり、片足だけに体重を乗せて立っているクセがある人は注意が必要です。
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◎ そのままだとどうなる?
声が左右どちらかに流れるように感じる
体の軸がぶれて、呼吸が浅くなる・高音が不安定になる
声が「伸びない」「乗らない」感覚になることも…
試しに、2つのパターンで試して下さい。
1両足に体重を均等に乗せて骨盤を立たせ、体を固めずに声を出す。
2片方の足に体重を乗せて声を出してみて下さい。
同じ音程で比べて下さい。
息の吸う量は同じだけで吸えますか?どちらが長く伸ばせますか?
色々比べると、体重のかけ方、筋肉の使い方1つで、全く違う発声になる事がわかります。
この様なクセをもってる場合は歌うときにお腹に力を入れすぎてお尻、足、お腹の筋肉が固まる傾向があります。
出来るだけ、お腹の力を抜いて、足の付け根の力を抜きましょ
声を安定させるには?体の声を聞こう!腰が痛い人は?
声を出していて仙骨辺りや腰が痛くなる人は?
【1】“支え”を腰でやってしまっている
本来は「お腹の奥(丹田)」や「骨盤底筋」で支えるべきところを、
腰(背中側)で無理に踏ん張ってしまっている状態。
結果、仙骨〜腰椎まわりの筋肉が固まって痛みになる
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【2】骨盤が後傾している
骨盤が少し後ろに倒れてる(=“寝てる”状態)と、
声を出そうとしたときに、重心がずれて腰や仙骨に負荷が集中する
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【3】息を「押し出して」いる
息を“流す”のではなく、“押す・踏ん張る”出し方をしていると
→ 腰にグッと力が入り、声が出るたびに痛みのスイッチが入る。
お腹を使う時に、背中側に押し込むと思ってると、筋肉が固まりやすい。あくまでも体を解放させる。
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まとめ:体の使い方が「逆転」してる可能性がある。
本来は: お腹で“支え”、背中は“ゆるめて開くのが理想。お腹は固めずに、でん!としてるだけ。
じゃあ、どうすればいいの?
骨盤をふんわり立てる(=お尻ふわ、お腹でん)
息を“押す”じゃなくて“流す”
スライム(丹田)に意識を置いて、腰はお休みしてもらう
声を安定させるには?体の声を聞こう!肩甲骨の間が張る人は?
肩甲骨の間が張ってくる人に起きていること
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【1】“背中で声を支えようとしている”
本来、声の支えはお腹の中・骨盤まわり(丹田)で行います。
でも、それが使えない or 弱いと、代わりに背中を固めようとしてしまいます。
「背筋を伸ばさなきゃ」と思うほど、力みやすくなる場所です。
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【2】息を出すときに背中で押してしまう
お腹でコントロールできないと、
背中から息を“押し出す”ようなフォームになりやすいの。
→ これが肩甲骨の間の張り&疲労の原因に!
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【3】胸を張りすぎている
良い姿勢=胸を張る、と信じてると、
背中側(特に肩甲骨の間)がギュッと寄って緊張し続けてしまう。
→ 声を出すたびに、そこが支点になってしまう!腰もそりがちになってしまいます。
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◆対策として伝えたいこと
◎ 「背中は支えるんじゃなくて、“見守ってる場所”」
→ 支えはお腹のスライムにおまかせ!
◎ 「肩甲骨の間は“空気の通り道”、固めない」
→ 吐く息で、背中もふわ〜っと広がるイメージで。
今日は少しスライムとか、抽象的な言葉を多く使ってお話ししましたが、とっても大切なことは、体の声を聞く!という事です。
どこが固まりやすいのか?
スポーツでも楽器でも何でも、体を整えて、力を抜く。これにつきます。
もし、わからない事などがございましたら、無料体験レッスンにお気軽にお越し下さい。
最後までコラムをお読み頂きありがとうございました。